ベースギターDean Edge9のレビュー/ The Astonishing Price: A Product Review of Dean Edge 9 Electric Bass
Dean Edge9 というDean Guitars から作られているベースのレビューをします。
このベースは私が初めて購入したベースで、最初の一本になります。そういった愛着や背景抜きにしても普通に良いベースだと評価できます。
衝撃の値段
安いから、という理由で購入しました。USのAmazonで購入した時は確か$120以下だった気がします。今現在は$200となっていますがそれでも$200を切っている安さです。
見た目や作りなど
とにかくシンプルの一言につきます。そこら辺の木を拾ってきて弦をつけた感のある適当さがカッコイイですね。サテンフィニッシュの木が全体的にイメージとして前に出ているのもクラッシックな楽器感があっていい。ヘッドは若干メタルやロック入ってるけど。
では それぞれの特徴をみていきましょう。
ブリッジはクラッシックなフェンダースタイル。
ボディはバスウッドなのでめちゃくちゃ軽いです。
ナットは硬度のあるプラスチック。
ペグは軽い普通のダイキャストで色は黒。チューニングも滅多にずれないです。個人的にはジャズべのマシンヘッドの方が見た目好きですが。
指板はローズウッド。バスウッドとの組み合わせでさらに柔らかい音になっています。ネックはC型でメイプル。ジャズべと比べると少しだけ太いです(この特徴もプレジションに近い特徴。)そしてノブはトーンとヴォリューム。このシンプルさ大好きです。
とにかく軽い
普段から4弦ジャズベースや多弦を持っている人はこのベースの軽さに驚くのではないでしょうか。体感の軽さでは一般的なジャズベースの3/5ぐらい。それでいてパワフル。
サウンドについて
音は全体的に良好です。まず安いジャズべと比べてノイズが少ない。ソープバーピックアップを使っている(構造的にはシングルコイル、deanのofficialのウェブサイトによれば)のでハムバッキング効果はないはずなのだけど。ジャズベースより硬い音はないのでスラップしても音がこもる。プレベをスラップしている感じ。全体的なトーンはプレジションに極めて近い音だけど必ずしも同じとは言い難いなんとも不思議な音。シングルコイルなのになぜだろう。リアにPUが付いていないからでしょうか。
特筆するのはその中音域の厚みでしょうか。中音域と低音が出るので、アンサンブルの中で何度も演奏してきましたが、音が抜けやすい。自分はオリジナルで付いてきたラウンド弦は外してフラットを張っているので、よりダーク(弦が古いのもある)でウォームなサウンドになっています。
(※現在はラウンド弦に戻したのでダークなサウンドではありません。)
音源はこちらから確認できます。ちょっとリバーブつけていますが。。
パーリーチャーカーのDonna Leeのソロのコピーした。実を言うとチャーカーのテンポ遅い曲よりビバップの方が弾きやすい(ダブルタイムのリックあんまり出てこないから)#Charlieparker #bebop #Jazz #Bassguitar #solo #transcription pic.twitter.com/9JQHIPQAfs
— Steve Sato (@shorisato__) 2018年3月21日
バスウッドとローズウッドはジャズに適している?
自分は主にジャズ系の音楽をメインにやるので、硬い木材(アルダーやアッシュ)から出るアタックの強い音やアクティブ回路のブライトな音は、クラッシックなサウンドを追求する上ではあまり必要ないのかもしれません。ローズウッド指板&バスウッドなのでタイトさはメイプル指板と違いあまりなく、ファンク系には向いていないかも。しかし私がジャズで使う音はブライトというよりはダークなサウンドを好むので、このベースとは割と相性がいい。 前述した通り、バスウッドとローズウッド+プレジションっぽい音の柔らかさは、まるでソリットボディのウッドベースのような感じの、クラッシックな音に近いのでクラッシックなジャズとは相性が良いです。まぁエレキ使っている時点でクラッシックというのは少し違和感がありますが。
関係ないけど、日本の御茶ノ水の楽器屋さんの店員さんと話していた時に、音のタイトさやドンシャリのあるブライト音とベース本体の価格は比例するようですね。楽器の木材に関係するからしいですが(良質なアルダーやアッシュ、エボニー指板やメイプル指板を使うため)そうなると柔らかいジャズ系の音だけ求めていたら、一般論として機材はファンクやロックのジャンルに拘るプレイヤーに比べて安上がりで済むかもしれません。
シンプルが一番
最近の傾向だと、ミドルにアクティブ/パッシブセレクター、ベース、トレブル、フロントPU、リアPU...etc を調節できるノブが付いていたりするベースが多いです。それはそれでカッコイイし様々な音作りができて楽しいですが、その分選択肢が増えるということだから、いろいろ複雑になって、EQ調節する時に結局悩んでしまう、ということが多々有ります。でもトーン、ボリュームだけといったシンプルなプレベやこのベースはそういった悩みから解放されます。これしか選択肢がないからといって割りきることができるのが良いですね。
そういえば、このベースのもう一つのいいところはピックアップの面積が広いから、フィンガーランプ(右手の指が、弦を弾いた時に深く入り込むのを避ける板)の役割も担っていて弾きやすい。
欠点
見た目は気に入らない人はいるかもしれません。そのシンプルさからチープさがあります。そしてジャズべと比べるとネックが少し太いです。他にもノブが少ないので、音をジャズベースのようにいじることができないです。あとナットがかなり硬いプラスチックだけど、ナットにこだわる人は気になるポイントではありそうですね。
最大の欠点としては、立ち上がりが遅くサステインが短いことでしょうか。普通のジャズベースと比べるとそのサステインの短さと立ち上がりの遅さは歴然としています。そういった意味ではクラッシックなサウンドには向いているけど、コンテンポラリーな音作りは難しいと感じます。
ちなみに現在2/24/2018年ではLa bella のブラックナイロン弦とピックガードを貼っています。
以上がDean Edge9のレビューでした。
Steve