6弦ベースの変わった2つの長所と1つの重大な短所?? パート2 / "Odd" Pros and Cons About 6 String Bass Part 2
どうもこんにちは。
この前の6弦ベースの記事が、アクセス多くて、6弦ベースに興味を持たれている方が多いのかなと思います。そして最近エレキベースの記事を全く書いていないので、久しぶりに、エレキベースの6弦について書きます!今回は、前回に続き6弦ベースの長所と短所のPart 2です。少しジャズをやっている人向けの記事になります。
前回は、短所からでしたので、今回は長所から。
1. 耳コピに重宝する
ジャズをやっていると、耳コピは必ずしないといけない練習です。そんな耳コピに対して4弦の普通のエレキベースやアップライト/ウッドベースなどを使うと、左手の運指の左右のシフティングが多いので、とても大変です。例えば、弦楽器奏者以外の、ビバップのアドリブをコピーしようとします。例えばアルトサックスのチャーリーパーカーだとしたら、普通のベースで弾こうとすると殺人的な運指になってしまう上に、コピーに必要な高音がない時もあります。
休日のパーリ・チャーカー pic.twitter.com/J0UfuR8uPU
— Steve Sato (@shorisato__) 2017年9月16日
でも6弦であれば、そんなニーズに応えているのもあって、大抵はフレット数も普通のベースより多いです。従って高音になるにつれて、ギターのようにフレットの感覚も狭まって、弦も細いので、パーカーのような殺人的なアドリブも弾きやすいです!更に、指板がデカイので、コピーしてる演奏者のフレーズが、指板上でそのフレーズの”形”を簡単に認識することができます。
2. どんな場面にも対応できる
前回の記事で、私がフラットワウンドからラウンドワウンドにした理由を書きました。
フラット弦を長く使っていた私が、結局ラウンド弦に戻った3つの理由/ Three Simple Reasons Why I Ultimately Chose "Round" Instead "Flat" - Jazz Bass Blog
その決定的な理由は、ラウンド弦であると、どんな場面でも臨機応変に対応できる適応性があるからです。同じ理由で、6弦ベースのラウンドワウンドであれば、どんなライブでもセッションでも対応できるという長所があります。私は個人的にこの長所はとても大きいと感じています。あるライブではメロディーやコードを、あるセッションでは、ファンク系で低音のLow-Ebやハーモニクスなど、またある場面ではスラップなど、さらに、ジャズシーンでは高音を使った即興など、取り敢えず一本持っていれば、様々なジャンルが演奏できるのでとても魅力的です。私はこのジャンルしか演奏しない!と決めているベース奏者はこのメリットはそこまで大きく無いと感じると思います。
では、次は港であまり聞かない6弦ベースの短所についてです。
1. 6弦ベースは歴史が浅い=つまらない
6弦ベースは歴史が浅いのでつまらないです。つまらないとはどういう意味か説明します。まず、楽器というのは、言葉で言う所の言語の種類になります。例えば、トランペットが日本語だったら、ピアノは英語です。そして音楽のフレーズが言語(単語)になります。ですので、よりその楽器を使う人口が多ければ多いほど、その言語を話す人間が多くなるということになります。従って違う楽器で、同じフレーズを出せても、その楽器を知る人間が少なかったり、コミュニティーが小さかったら、理解されないケースがあります。それが今の6弦ベースとそのプレイヤー数に当てはまると思います。
たくさんのジャンルの曲が、今日まで、スタンダードの4弦のエレクトリックベースで演奏されてきました。だから実際には、ロックやポップ、又、ジャズのベースのラインを6弦のLow- BやHi-Cの弦を使ってまで演奏する機会はそれほど多くありません。
そして、前述した通り、6弦使用者のコミュニティーの小規模さから、同じ曲でも、エレクトリックギターで弾いたら、周りからテクニックについて共感されたり、大きな反響を呼ぶケースがあっても、6弦のエレクトリックベースでそれを演奏したら、周りから理解されなかったり、?と感想を持たれる場合があります。この感想は、例えば誰かが、12弦ギターのタッピング奏法をやっている人を見たりテルミンを演奏している人を見た時に抱く感想に近いものがあります。要するに演奏の難易度が全く想像できないので、どれほど凄いのか/凄くないのか分からなくなり?となる感じです。
更には、ある演奏者は、その楽器(言語)の種類の中で何かに挑戦するという一定の美的観念をもっています。エレキベース奏者で言えば、ジャコ・パストリアスやヴィクター・ウッテンのように低音はEから、高音はHi-Eb 〜 Hi-G辺りまでと設定しておいて、その中でどう表現するかを追求することに拘る人も多いので、全く新しい言語の6弦ベースは邪道に見えるということも有ると思います。このような意味で6弦ベースは、面白くない楽器だな感じます。
以上が、6弦の変わった長所と短所Pt.2になります。今後6弦ベース奏者が増えれば、コミュニティが盛り上がり、6弦ベースがより面白い楽器になるかもしれません。最近はそんな事にちょっと期待しています。
Steve