Jazz Bass Blog

Exploring The World of Jazz and Low Note

Snark SN5X クリップチューナーのレビュー/ Product Review: Snark SN5X Clip Tuner

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 Snark SN5Xというチューナーのレビューについての記事です。

 

普段はメトロノームにチューナーもついたタイプのものを使用していましたが、アンサンブルの中では周りの音を拾ってしまうのでチューニングをするのにかなりの時間を要しました。そこでバンド内では知り合いの使っているクリップ式のチューナーを頻繁に借りていましたが、毎回借りるのも悪いので、クリップチューナーを購入することにしました。

 

値段や評価など

 

Amazon で Guitar Tuner というワードで調べるとAmazon's Choice&Best Sellerにも選ばれているので信頼性のありそうなチューナーですね。

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値段は$13.59とリーズナブルな値段。

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Snark SN5X の特徴

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このチューナーの一番の売りは液晶画面が大きくて、とても綺麗なところでしょうか。従ってどの角度からみても簡単に目視することができます。液晶の鮮明さでは、今現在同等の価格帯で市場に出回っているクリップ式のチューナーの中で一番綺麗だと思います。

 

 

 

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画面の向きをグイッと変えられるところもポイントが高いです。画面とクリップの間がボールジョイントで接続されていて、あらゆる角度にフレキシブルに動かすところができます。

 

ボタンを押すとすぐ起動して、簡単に素早くチューニングできるのもいいですね。

 

以上がSnark SN5X のレビューでした。

 

Steve

 

 

エレキベースを弾く人がアップライトベースをやるべき5つの理由/ 5 Reasons of Why You Should Be Playing Upright Bass

f:id:sethproton:20170322092155j:plainアップライトベースを始めることで、普段からエレキベースを弾いている人にどんな良い影響があるのでしょうか?今回は5つのアップライトベースをするべき利点をまとめてみました。

 

1. 左手の運指が綺麗になる

 

アップライトベースでは、指板が34インチの一般的なエレキベースの指板より長いので、フレット間隔がエレキより圧倒的に広いです。そのためエレキベースとは全く違う運指をします。手の人差し指、中指、小指を1ノートごとに分けて、人差し指から小指までが全音階、人差し指から中指、また中指から小指が半音階になります。また、小指で押弦する時、基本的に小指以外は弦にくっつける必要があります。更に、アップライトでは左手の親指は力を入れない事を意識しないといけないので、指板を滑るように、左手の形を変えずに運指をする必要があります。エレキベースにこれらを適用した時、薬指を使用するフォームであっても、指のばたつきは確実に改善されます。ギタリストのジャンゴ・ラインハルトのように小指を使わないフォームに憧れる人は別として、一般的に小指のばたつきは抑えられた方が速いパッセージに対応しやすい上、演奏している時の見栄えもよくなるのでオススメです。

 

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2. フレットの中にあるノートに対する理解が深まる

 

エレキの音探しでは、自然と指板にあるマーク、インレイを探して、それを基準に音を出している人が多いのではないでしょうか。アップライトベースはフレットレスなので、正しい音の位置は基本的に二つの要素から導き出されます。一つはマッスルメモリーです。左手をシフティングしてスライドした時の距離を腕と体で覚えます。もう一つの要素は、指板上のノートの見方です。一つ一つのノートがどの位置にあるのかをあらゆる角度からみます。弦を個別でみた時のノートの横の構成や縦の構成、エレキではあまり使う事のないハーフポジションと言われる場所(1フレットから3フレットまで)まで、指板上の音を完全に記憶する必要があるのです。エレキにこれを当てはめた時、音を探すのがより簡単になるのではないでしょうか。

 

3. 音を識別することができる

 

誰もが絶対音感を持っているわけではありません。しかしアップライトで練習すれば、音感を嫌でも身につけないと演奏できないので、ピッチが鍛えられます。

 

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4. 開放弦を有効に使える

 

エレキベースではEマイナーのスラップリフをする時によく使う開放弦ですが、エレキベーシストがジャズのウォーキングベースラインを練習し始めた時に、開放弦とハーフポジションを使わずに、左手をかなりストレッチさせてラインを構成しているのをよく見かけます。アップライトでは開放弦を使わないと、運指が難しいので、開放弦の使用は必要となってきます。この練習を繰り返す事で、アルペジオやスケールの構成は単なるエレキのフレット上のシェイプをたどるだけでなく、E,A,D,Gが開放弦に脳の処理によって置き換えられます。結果として左手のポジション移動を最小限に済ませてウォーキングベースラインを作ることができます。あとはロックやポップ、他のソロ等でもとっさの時にE,A,D,Gの音のどれかをすぐ出したい時に開放弦で対処する癖がつくので役に立ちます。

 

5. スタミナが身につく

アップライトベースはその弦の太さや形状から、押弦、運指、ピッキングはエレキより格段に難易度が高いです。そのためエネルギーをなるべく使わないリラックスした弾き方をします。右手は元からエレキの場合、疲労しきることはあまりないですが(長時間のスラップ等を除いて)アップライトのリラックスした左手の運指をエレキに応用できれば、エネルギーの消耗を抑えることができるのです。結果としてアップライトを長く弾ければ、エレキでも同じように長く引き続けることができるのです。

 

6. ジャズに対する理解が深まる

 

ウッドベースを始めれば、ロカビリーのサウンドよりジャズやブルースのサウンドに憧れる人が多いのではないでしょうか。そしてジャズに対して興味が深まれば、多彩な音楽理論を探索することになるので、結果として、その知識を自分の好きな音楽のジャンルに適用したり、アレンジすることができます。

 

これまで多くの利点を上げてきましたが、欠点もあります。エレキだけでなくアップライトも練習するので、練習時間が普段より格段に長くなります。両方を並行して上達させたいなら2倍の単純に練習量が必要になります。しかし、もし時間に余裕があってベースという楽器をより深く追求したいのならば、両方やるべきだと思います。

 

 

Steve

Dbという罪- The Sin of Db

 

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キーが違うと難易度は変わるだろうか。私は2−5−1の練習はCのキーで練習していたことが多くて、今でも別のキーで同じリックを出そうとすると、Cよりスムーズに出てこなかったりする。これを避けるために最近はF#やDbあたりから弾き始めている。

 

万遍なく全部のキーを習得する事というのは、ジャズを学ぶ上での難しさの一つだ。アドバンスレベルの人間でも苦手なキーは存在すると聞く。それほどキーの違いは影響を及ぼす。

 

キーが影響を及ぼす例として、セッションでのFブルースの人気さが挙がる。Fブルースを万人が好んで選択するのは、ホーン楽器にフラットが一つ、C楽器にもフラットが一つといった理由だ。

 

ということは、フラットが多ければ多いほど、そのキーは難しくなる。ピアニストだったら黒鍵の多いキーを苦手とする人はいるはずだ。

 

タイトルにある通り、Dbがやり辛いキーであるのは言うまでもない。ウォーキングベースを弾く人にとってDbメジャーかBbマイナーは一番弾き辛いキーであると思う。コントラバスエレキベース)を弾いているとフレットの間隔が普通のギターと比べて広いので、スムーズな運指をしたくて開放弦(E,A,D,G)に頼りがちだ。でもDbメジャー(Bbマイナー)のスケールを見ると、E,A,D,Gは含まれてない。だからハーフポジションでウォーキングベースラインを弾いているとそのスムーズな左手のトランジションが成り立たなくて苦戦する。

 

普段どれだけ開放弦に頼っているかがわかる瞬間でした。DbメジャーかBbマイナーは練習あるのみですね。

 

Steve

Amazon レストランを使ってみる


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玄関の扉を開ければ辺りは白い雪景色。ファイナル(期末テスト)も近いので、外は出ないでテスト対策をやっている。というか出たくないのです。単に寒いので。アイスクリームも黙る、現在-24℃ 。やっとミネソタという孤高な州を体感し始めた筆者です。

勉強に切羽詰まる中、突然ピザが食いたくなるときがある。アメリカにいてピザが無性に食いたくなる私。そう思ってると、家から歩いて二分ぐらいの場所から誘惑を感じる。あるんですよね、アメリカの大手ピザストア Papa Jonesとやらが。オーソドックスなペペロニ系のピザを売りにしてるチェーン。



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早速コートを羽織り外に出る。外はお察しの通り、着てる服全てが寒さによって無条件で無効化される。ミネソタ州の特殊能力のうちの一つだ。この特殊能力によって、服を着込んでも裸で歩いていると錯覚するので、寧ろ服など必要ないのではないだろうかと思い始める。今度は裸で市内を練り歩いてみたいところだ。

店内に着くやいなや、値段を見るとピザ一つの値段が意外と高い。(トッピング抜きで最低$11ドル!)普段はキャンパスでPapa Jonesのピザ($5)を食べてたからこんな違和感が。

とりあえず、$11は払う気もないので一旦家に戻りプランを練り直しているとキッチンのカウンターに置かれていたチラシ。

 
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一回目のオーダーでコードを入力して$10オフ

 

ええ何これ。アマゾンレストラン?こんなサービスあったっけ。どうやらPrime Now(数時間以内に頼んだものが届くサービス)の延長線だそう。

 取り敢えず食べ物を見てみる。


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これは!!うまそう。値段はPapa Jonesと同じぐらいだけど、$10オフなら二個頼めるしお得じゃん!という謎のメンタリティーで結局$10ちょい払うことを決意。(というかオーダーは$20からが最低額なのでこうするしかなかった)

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 あなたの商品の到着予定時間は8:35-9:08です。

 

これにはビックリ。オーダーした時間が8:10なので、早い!と錯覚した。けどこれは錯覚であって、普通の出前だと考えたら大したことないけどね。但し、大手のアマゾンのサービスを利用しているという安心感には付加価値がある。この安心感の違いがアマゾンクオリティーなのかもしれない。そして、GPSのトラッキングも普通の出前にはないシステムで斬新だ。

 

待っていること数十分。突然電話が。

 

「アマゾンのピザの宅配のものだけど、あなたの家のロビーにいるから来て」

 

私のアパートメントにどうやって入ったのか。結構ここセキュリティしっかりしてるから普通住人以外入れないけどなあ。ともあれ寒い中ご苦労さまです。


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外の温度が温度なので、到着する頃にはピザはコールドピザ(アメリカ人がピザを敢えて冷たいままで食べる風習)になっていると思ったけど、特別な保温ケースに入っていたので、温かいままでした。


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テスト期間中に食うピザは最高!!

アマゾン レストラン (ただの出前)オススメです。

食べた後に気付く。$10オフのコード入れるのスッカリ忘れてた。

 

Steve

 

エレキベースをアップライトベースの音に近づける8つの方法 / 8 Ways To Create Your Bass Guitar Sound Like an Upright

"温かみのある音" "木から鳴り出す豊かな音" "自然な深みのある音" "丸みのある音"...etc

ベースギターの製品紹介にはこれらの謳い文句が見飽きる程書いてありますが、その特徴を持つ楽器を考えると、アップライトベースがまず候補として上がります。そしてジャズ系の音楽に興味がある方は欲しい音の特徴ではないでしょうか。でも、アップライトベースを始めようにしても値段が値段だし、エレキベースより難しそうだし、という理由で手を出しにくいと思う人が多いと感じます。そこで今回はどうしたらエレキベースアップライトベースに近づけられるかリサーチしてみました。8つの方法をご紹介します。

 

1. イコライザを調節する(プリアンプを使う)

アップライトと言えば迫力のある低音です。ベースについてるEQのトレブルのトーンはカットして、アンプに付いてるEQの低音を少しだけあげたいところ。ブライトなトレブルやミドルも少し減らすように調節した方が良さそうです。アップライトに音を近づけられるプリアンプ(Crimson Red Preampなど)もマーケットには出ているので、そちらを試してみるのもありですね。
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2. 弦高を少し高めに調整する

基本弦高の高いアップライト同様、音が綺麗に響いてくれると思います。

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3. 指板の上で、指弾きする(PUはフロントを使用する)

メローなサウンドに近づけるならこの弾き方の方が、ブリッジ寄りで弾く音のタイトさが出る弾き方より良いと思います。ピック弾きは音が明るくなりすぎてしまうので避けましょう。
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4. 45度の角度で指を一つ使って弾く

アップライトで使われる奏法を採用することによって、よりファットな音を得ようという試みです。これだけでも音の輪郭が変わります。45度というのはこのような角度になります。
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 元のアップライトの弾き方がこれなので

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この角度で、指板の上で、指を一本で弾いてみて下さい。指のつま先より、指の横全体(第一関節、第二関節あたりまで)を使って弾くと音が太くなります。

 

5. フラットワウンド弦かブラックナイロン弦を張る

アップライトベースは弦のテンションの緩さからくる低音の響きを出します。フラットワウンドでも良い音は出ますが、オススメはブラックナイロン弦です。なぜなら他の弦よりテンションが低い上にサスティーン(音の伸び)も少し短いので、アップライトに近い独特の音作りに一役買ってくれます。


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6. Gruv Gear の Fump をブリッジ付近に付ける(普通のスポンジでも可)

前回の記事でも書きましたが、このツールはサスティーンを殺すのに役立ちます。音の伸びが無くなるので、結果的にヴィンテージ感のあるアップライトベースに近い音が出ます。音に大きな変化があるので簡単にできる改造の中ではかなりオススメです。詳しくはこちらをどうぞ。付けるだけで音がアップライトベースっぽくなるギア?/ Product Review: Gruv Gear Fump - Jazz Bass Blog
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7.フレットレスベースを使う

アップライトの丸い柔らかな音はフレットレスならではの音でしょう。フレットレスにはフレットレスを。アップライトに近づけるサウンドという点では、多分フレットレスの恩恵が他のどの改造よりも大きいかも。
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8. ボディーにホロウの付いてるベースかアコースティックベースを使う

アップライトの箱鳴り感を再現したいならば、箱のベースギターから鳴らすべきでしょう。目には目を、箱には箱を。

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 番外編: Uベースを買う

改造・テクニックではなくなっているので除外しましたが、手っ取り早い方法はKalaから出てるウクレレベースを買うのも選択の一つとしてはアリです。このベース、リーズナブルな値段な上に素晴らしい低音を備えています。More Bass, Less Space(更に少ないスペースで、更なる低音を)とKala自身がキャッチフレーズを出してるだけあって、音はアップライトに非常に近く太い低音がします。あなたがこの見た目を許せれば、ですが。


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 以上です。最後のKalaのベースのは宣伝みたいになっちゃいましたが、音は予想以上にアップライト感あります。問題は見た目なんですよね。普通のベースギターのスケールで出してくれないかな。他にもテクニック、改造等のオススメとかありましたら教えて下さい。それではまた。

 

Steve

付けるだけで音がアップライトベースっぽくなるギア?/ Product Review: Gruv Gear Fump

前回の記事を書いた後に、ギアを語るのは少し億劫ですが、この製品についての日本語のレビューが皆無だったので、レビューしたいと思います。

 

このGruv Gear のFumpというギアはブリッジミュートテクニックの音を手を使わずに再現できるツールです。
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ブリッジミュートテクニックとは、手のひらをブリッジ付近に当てて親指と人差し指で弾く方法ですが、親指人差し指だと弾きづらい人もいると思います。そこでこのツールが役立ちます。

 

  初代のエレキベースにはブリッジカバーの裏にスポンジが付いていて、サスティーンを抑えることによってアップライトのサウンドに近付けていたそうですね。最近はカバーすら取り外されてしまっていますが。

なので、 取外しやすさという点を気にしなければ、Fumpの代わりに普通のスポンジでも代用できます。


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 横はこんな感じになってます。

マジックテープの片面だけを両面に合わせたような構造です。

 

実際につけてみました。



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工具一切無しで付けられるのは良い。オレンジのタグは見た目に合わなかったので外しました。

 この形状をしているので、普段はストラップにこれを付けておいて、ヴィンテージなサウンドが欲しいときに付けるといった使い方もできます

Fumpを付けて演奏している動画ありました。(演奏は3:50〜から)

 

www.youtube.com

 

 

流石に本物のアップライトの音に完全には近付きませんが、音の減退する感じが少し近くなります。ジャズをやる人には結構オススメです。私自身もウォーキングベースを頻繁に弾くので、購入して良かったと感じます。

 

GruvV Gear Fumpはアメリカで$19.99で販売されています。

 

 

 

 

 

Scott氏の語るギアばかりに執着してはいけない理由/Why You Shouldn't Focus On The "WRONG" Stuff

何故"間違ったこと"にフォーカスするべきではないのか。

タイトルは、オンラインベース講師で人気を誇る、Scott Devine氏の動画タイトルから。

www.youtube.com

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Scott氏が経営するオンラインベースアカデミー、SBL Academyでは1日に約150件のメールが来ます。その150件の内容のほとんどが、彼がレコーディングのセッションをした際の、ベースや弦、アンプなど機材についての質問だそうです。そして、とある1日の150件のメールのうちのたった二人が、彼の即興テクニックやベースラインの構成についての質問をしました。

 

「実際の音に影響することにフォーカスをしないのは、本当に簡単なことだ!」

 

Scott氏はギアに執着することを、ギア・アクイジション・シンドローム(Gear Acquisition Syndrome) と呼び、彼も過去に体験したストーリを告白します。彼が若い時にニューヨークで修行を積んでいた頃、彼の尊敬する一人の有名なベーシストのアルバムを一年中聴いていました。Scott氏はそのアルバムの音作りに感銘を受けていて、何が音作りの本質に関わるのか気になっていました。そしてニューヨークでその有名なベーシストのベースに触れる機会があり、実際に試奏したみたところ、彼がアルバムで聴いた音作りとは全く異なる音だったそうです。その音は、そのベースを弾いた自分、ただそれだけだった、とScott氏は表現します。

 

Scott氏は、多くのトーンはベースを弾く奏者自身から来るものだと語ります。

 

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Scott氏の動画内でよく登場する、高価なフェンダー・カスタムショップのPベースがあります。これについても毎日、メールで沢山の問い合わせがあるそうです。何故その素晴らしいカスタムベースを、メキシコ産の赤いプレシジョンベースよりもっと多用しないのか? といった内容です。

Scott氏はそれに対して、ある一定の値段を超えたら、楽器の音の違いを聞き分けるのは難しいと答えます。フォデラやケン・スミスのようなハイエンドのベースの拘りや造りを彼は賞賛する一方で、ただ値段が高いからといって音が向上するとは限らない、と主張します。

そのある一定の値段をScott氏は、800ドルから900ドル以上からだと推測します。この価格帯からチューニングのズレないヘッド、しっかりしたブリッジ、いい音を作るピックアップ、エレクトロニクスがあると語ります。彼は60万近くのベースを何度も演奏してきて、その値段帯であっても音があまり良くないベースに当たったそうなので、20万や30万のベースもリターンはあまり大きくないので勧めない、と言います。

 

彼は若い頃に新しいギアを買うことで、インスピレーションを受けて、一定の間、練習量が少し増すこともメリットとして指摘しています。しかし最終的に多くの音作りは演奏者自身でするものなので、数十万のベースを購入したからといって、音が良くなるとは期待しないことだ、と結論付けます。

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いかがでしたか? 私もボディビルを行っていた頃は、周りがどんなブランドのギア、ベルト、ニーラップ、サプリを使っているかをもの凄く真剣に考えて、欲していた時期があったことを思いました。ベースを弾くことを趣味としている今でも、あれこれ買えたらな、と思うことがあります。特に、音楽は音が命なので、音を生むギアに拘るというのは理にかなっています。しかしそのギアを追求している間にどれだけの練習ができたかと思うと、時間を無駄にしているようも思えます。ギアは拘りだすとキリがないので、どこかで区切りをつけて、練習に励みたいものです。

 

Steve